前回までのブログでは自費移行の際のポイントをステップ順に分けてお伝えしました。
第23回 これを見れば誰でもできるスムーズな完全自費移行までの7つのステップ(その7)
今回は、保険治療がメインの先生が自費に移行したいということで、実際にご相談を受けた例をお伝えいたします。
実例その1: 初月売上4万円 瀕死の整骨院が自費治療に切り替えた例
すでに何度かお話ししておりますが、私が健康保険を扱わなくなってからすでに約4年、自賠責保険を扱わなくなってから約3年が経ちました。(2020年3月現在)
段階的に自費治療に移行して完全自費治療に切り替えて現在に至ります。
そうすると私が保険を扱わずに自費のみで治療をしているという噂を聞いて連絡してきた先生がおられました。
その先生は私の院がある香川県の近県で整骨院を開業したばかりの50代の男性でした。
最初に連絡を頂いた時は、
「自費治療だけでやっていけるんですか?」
「患者さん来ます?」
「患者さんって1日に何人来るんですか?」
「1回何分くらい施術するんですか?」
「1回に6000円ももらって大丈夫なんですか?」
この程度の質問をメールで頂いたのでそれぞれのご質問にお答えしました。
しばらく経ってから再度連絡を頂きました。
そのときは、
「保険の患者さんも1日に数人しかいないのでとてもヒマです。」
「どうやったら自費治療なんかできるんですか?」
「教えてもらえませんか?」
「このままだったら整骨院をやめるしかありません。」
「一度そちらの院を見学させていただいてもよろしいでしょうか?」
ということをおっしゃっていました。
私はその話をきいて、
・せっかく開業したのにやめるのはもったいない。
・やめるくらいなら、まだできることがあるのではないか。
・このままの状態よりも自費治療に切り替えた方がいいのではないか。
・自分がやってきた手順や方法を伝えることが役に立つのではないか。
このように考えて、まずは院の見学も兼ねて私の院である香川県高松市の「国分寺整骨院」まで一度来ていただくことになりました。
そこで後日、来院された際にお聞きした内容に驚きました。
・保険診療メインで開業して初月の売り上げが4万円。
・保険患者さんが1日に数人来院するだけで自費治療の患者さんはいない。
・開業3ヶ月目で月商7万円。
・開業当初の借り入れは500万円で毎月の返済が10万円。
・損益分岐点を計算していない。(42万円だった)
・一人院で運営している。
・奥さんも子供もいて、子供は学生でこれからもお金がかかる。
・広告を一切していない。
・ポスティングも一切していない。
ざっと状況をあげたらこのような感じでした。
私はこの先生のお話をお聞きして、今すぐにでもできることをしないといけないと思ってアドバイスをすることにしました。
皆さんもこの状況だったらマズいと思いますよね。
このままではすぐに廃業の道を選ぶしかないと思いました。
この時点ですでに瀕死の状態ですから緊急でやらないといけないことは山積みです。
しかし、まずは院を継続してやっていく意思があるかどうかが大事でしたので何度もメールでのやり取りを経て、ご本人の意思を確認しました。
そして何より1番に何を確認したかというと、
保険治療をメインで経営していくことを捨てられるかどうか
ということです。
最初は保険治療を残したいと言っていたものの、保険を残したいと言っても今のままなら近いうちに廃業しないといけない状況だということを数字で説明すると、やっと腹が決まったようです。
「せっかく開業したので何とか頑張りたい。自費治療でも何でもアドバイス通りにやります。」
こういう意思を確認したので、次の段階に進みました。
開業数ヶ月経っているのに月商7万円ですから損益分岐点を考えなくても分かりそうなものですが・・・。
ともあれ自費治療にシフトすることを決めたわけですから、それに向けて再出発することになりました。
しかしうまくいく保証はありませんのでゴールを決めました。
それは半年以内に月商30万円に届かない場合は廃業するということです。
当たり前ですがご本人もそれくらいの覚悟で臨んでおられました。
まず、もともと治療メニューに時間表記はありませんでしたので患者さんの扱い方を決めました。
・今来ている保険患者さんにはプラス自費のメニューを勧める。
・新規の患者さんには自費治療であることを伝える。
・保険患者さんは当月末をもって保険治療を終了する。
基本的には段階的に移行していくということを今までにブログでお伝えしてきました。
ですがこの場合は緊急性がありましたので、お伝えした日の翌日からすぐに変えてもらいました。
すると翌日に来られた患者さんに
自費治療になることを伝えたら治療を受けてもらえた
というご報告をいただきました。
しかも次回の予約もしてくれたとのことです。
もちろん、保険で治療を受けるつもりできた患者さんが、治療を断って帰られたというパターンのほうが多かったです。
でもこれは想定内ですので特に問題ありません。
さらに広告は作成済みで費用も支払済みだが、折り込み広告のゴーサインを出していなかったということが判明したのですぐに代理店に連絡させました。
広告には「完全予約制」の文言だけを追加してもらいました。
結果、最短の1週間後に折り込み広告を入れてもらうことになり、広告が入った当日に2人の患者さんが広告をみて来られたそうです。
2人ともに自費治療になることをしっかりと説明をした上で、自費治療を選択してもらい、しかも次回予約も入れてもらったという結果が出ました。
この先生の場合は保険患者さん自体が極端に少なかったので、すぐにでも自費に切り替えやすかったという事情はありましたが、手順を間違えずにやれば自費治療への移行は難しいものではありません。
ただし問診のやり方や患者さんへの説明方法などは、実際に何度か会って細かい部分の打ち合わせを何度も行なっておりますので、次回予約までたどり着けたのだと思います。
以上、私が自費に移行した手順はそのままで急激に自費治療に移行した例でした。
次回は「実際にあった相談例(その2)」です。
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