目次
はじめに
窓口負担が数百円の保険を扱う治療院と違い、自費治療院としては少なくとも5000円以上の治療費をいただきます。私の院では1回9800円の治療費をいただいております。
そんな自費治療院に通う、小さいお子さんをお持ちのお母さんに対して私たちはどのように対応するのが正解なのでしょうか?保育スタッフを常駐させてキッズスペースを確保して対応するのが正解なのか、またはその逆なのか、今回はその問題を考えてみたいと思います。
ある患者さんから言われた一言
先日、初めて来られた30代の女性患者さんがいました。
生後数ヶ月の女の子を子育て中のお母さんで、夜中の授乳や抱っこなどが原因で肩こりや腰痛がひどく、少し前に他所の治療院で診てもらったとのことです。
その治療院はキッズスペースがあって、小さいお子さんもスタッフがみてくれているそうです。
お子さんを家に残すわけもいかず、子供連れでもオッケーだというので連れて行って治療を受けたとのこと。ただあまり効果を感じなかったので他の治療院を探していて当院へ来られたということでした。
私の院は基本的に子供連れの方はお断りしていますので、もちろんお母さんお一人でご来院されて、治療をお受けになられました。
その患者さんが初めて来られて治療を終えた時に言われたことがあります。
それは「ここに来て帰るまでたった30分、行き帰りを合わせても約1時間です。今回たった数十分から1時間程度でも1人の時間が取れて良かったです。」ということでした。
患者さんは何を目的に来院されているのか?
この患者さんから当初、
「まだハイハイもしないのでカゴに入れて子供を連れてきても大丈夫ですか?」と聞かれたことがありますが、その際にお伝えしたことがあります。
それは
「治療をお受けになるときには、その間だけでも、短時間でもなるべく子供さんから離れてご自身のお体のことだけを考える時間を作って下さい。その方が治療効果が上がりますし、リラックスして治療を受けることができますよ。」
ということです。
それ以来この患者さんは、ご主人さんの勤務状況と合わせて、夜勤明けでご主人さんが昼間に在宅中に子供さんを預けて来られています。
それが無理な場合はご自身のお母様がお休みの日に預けて来られます。
今までたった一度だけ、どうしても預ける都合がつかずに子供さんを連れてきたことがありましたが、
「子供が横にいたらやっぱり治療に集中できませんね。以前行った治療院で違和感を持ったのもこれですね。次回からは子供を預けてから来ます。」とおっしゃっていました。
お母さんはもちろん子供さんが嫌いなわけではありません。
ただ、四六時中一緒にいる中で、ご自身の体の治療に来られる時くらいは1人の時間を持ってもらいたい、結果的に治療効果が上がるということで、私の院ではお母さんお一人で来てもらうようにしています。
患者さんは体を良くしたい、〇〇ができるようになりたいと思って、それが目的で来院されるわけですから。自費治療院としては治療の場面が日常生活の延長線上ではない方がいいと考えております。
この患者さんの他にも産後のお体の調整やメンテナンスで来られているお母さんが何人かおられますが、全員がなんとかして子供さんを預けてから来られています。
治療への参加意欲を高めることも大事
「キッズスペースがあります」
「子供さんと一緒のご来院ください」
という宣伝文句の方が患者さんに対して通院しやすい、対応が優しいと感じる人もいるかもしれません。
ですが、先ほどの患者さんが感じた違和感というのが
「子供さんと一緒にいつでも来て下さい」という言葉がけだったそうです。
治療に集中できない環境で違和感をお持ちになり、その後に当院で1人きりで治療を受けたことで、なぜ違和感を持ったのががわかったとおっしゃっていました。
「やっぱり1人の時間も大事だし、治療に集中できるということが大事なんですね。」
このように言われておりましたので、患者さん自身がご自身の体に向き合い、治療に前向きに取り組むという意識を持ってもらうということこそが患者さんのためになるのだと考えます。
子供さんがいるから子供さんと一緒にきてね、ということが患者さんのためになるわけではないとも考えます。
保険を扱う治療院で窓口負担が数百円の治療院でしたらそれでもいいと思いますが、特に高額な治療費をお支払いいただく自費治療院としては、患者さんお一人の時間を持ってもらって、治療に前向きに取り組んでもらうということが大切なのだと思います。
まとめ
患者さんにとって、治療院は健康に関する問題を解決する場所であり、また、自分自身に向き合う時間を持つことができる貴重な場でもあります。
私たちはそれを忘れず、患者さんに寄り添った治療を提供することが大切だと考えています。
特に自費治療院は、治療に集中できる環境を整えることも大切です。
患者さん自身が治療に前向きに取り組んでいただくためにも、患者さんお一人の時間を尊重し、治療に集中できる環境を提供するよう心がけています。
自費治療院を運営されている先生やこれから自費移行しようと考えている先生のご参考になりましたら幸いです。
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(監修 柔道整復師 田口誠二)