新型コロナウィルスの感染拡大を防止するための緊急事態宣言の期間が1ヶ月ほど延びるという発表が2020年4月30日にありました。
不特定多数の人が出入りするような施設で、不要不急の業種に当たるところでは休業要請が出されていますから、さらに要請期間が延びた形です。
幸い、国家資格者が運営する整骨院・接骨院はその休業要請対象の対象外ですから、当院も通常通り診療を続けております。
そして当院は完全予約制を5年前から導入しておりますので、不必要な患者さん同士の接触はもともとありませんし、現在ではさらに予約枠を制限していますので、2月、3月、4月とも例年と来院患者さんの来院数はさほど変わっていません。
もちろん、
「少し先延ばしにする」
「今はちょっと治療を控える」
というような方もおられます。
それはなんら構いませんし、当院がコロナウィルスの感染対策を徹底していたとしても、無理に怖い思いをして来ていただくことはありません。
しかし、いまだに「予約優先制」や「受付順番制」をとっている完全予約制ではない治療院は、患者さんの来院数が激減しているということをよく耳にします。
そういう治療院はやはり保険治療がメインのところが多いようです。
4月のレセプト枚数が3枚という治療院もあったようですね。
まあ、保険適用の急性の外傷だけをきちんと請求していたら、コンタクトスポーツの選手御用達の院でない限りは、本来はその程度の患者さんしかいないのかもしれませんね。
それはさておき、今回はその「完全予約制」がいいとか悪いとかは一旦置いておいて(完全予約制しか今後生き残る道はありませんが)、完全予約制を導入するならまず先生方が今から何をしなければいけのないか、とても大事なことをお伝えいたします。
今日から、今からできることですので最後までよくお読みくださいね。
完全予約制はお互いの約束事です
予約優先制を取られている先生からご質問がありました。
「患者さんがドタキャンすることが多いのですが、それを改善する何かいい方法はありませんか?」
確かにドタキャンはいろいろと困りますよね。
時間が急に空いてしまったり、他の患者さんの予約希望を断ったりしていることもありますから、できれば避けたいです。
冒頭にも書きましたが最近のコロナ騒動の中では、
「外出を控えたいから」
「会社から外出自粛命令が出た」
というような理由で急なキャンセルされる患者さんもおられましたが、それは一部ですからある程度仕方ないと思います。
しかしご質問を頂いた先生の院は、コロナ騒動以前からドタキャンが多いということでした。
これは何が原因なのでしょう?
第18回 これを見れば誰でもできるスムーズな完全自費移行までの7つのステップ(その2)〜最大の難関にして最大のポイント「完全予約制」〜
上記のブログでもお伝えしましたが、自費移行に際しての大事なステップの2番目でお伝えした「完全予約制」についてですが、改めて完全予約制の意味を考えてみましょう。
完全予約制とは、患者さんが治療の予約をして、治療院はその時間は患者さんのためだけに予定を空けておく、というものですよね。
そうすることで患者さんも計画的な治療を受けることができますし、治療院側としても適切な治療を提供できるのでよい結果が出やすくなります。
患者さん、先生方のお互いにメリットがあります。
患者さんは「5月8日の10時に治療を受けたいので予約したいです。」
治療院は「分かりました。ではその時間は他の患者さんの予約を取らずに空けておきますね。」
予約方法は電話やネットなどいろいろあれど、これで予約完了です。
患者さんと治療院の約束事ですよね。
仮にその後から別の患者さんが同じ時間の治療を希望されてもお断りしますよね。(やむを得ない急患は別として)
まさか故意に予約をダブルブッキングする先生はいないと思います。
そして5月8日当日の10時までに来られた患者さんが予約通りに治療を受けて帰る、これが普通の状態です。
当院でも日常の風景です。
反対に約束を守れない患者さんには治療が提供できない場合があります。
先日初めてご予約いただいた患者さんが連絡もなしに15分遅れて来られました。
遅れるなら遅れるで事前に連絡があれば予約を調整できる場合もありますし、15分遅れるということはその間に連絡できるチャンスが何度もあったはずです。
遠方から来られたという患者さんでしたが、私は結果的に治療をお断りしました。
15分もずれ込んでしまっては、1ヶ月前から予約してくれている次の患者さんをお待たせしてしまうからです。
患者さんが時間通りに来てくださるということが前提で、私は時間通りに来られた患者さんに1秒たりともお待たせせずに治療を提供する、またはそういう準備をしておく、というお約束をしております。
それ以上のことはできません。
他人との約束を守ってますか?
少し話が変わります。
では先生方の日常生活に目を向けてみましょう。
先生方も日常の生活の中で、いろんな場面で他人と約束をすることがあると思います。
・居酒屋の予約をする。
・友達と会う約束をする。
・奥さんと食事に行く約束をする。
・子供さんと買い物に行く約束をする。
・同窓会の出席の約束をする。
・研修会の出席の約束をする。
・ビジネスホテルの宿泊予約をする。
・歯医者さんの治療予約をする。
こう考えると本当にいろんな人との約束をしていることが分かりますね。
さて、このようなたくさんの約束事を皆さんは守っておられますか?
・とりあえず居酒屋を予約したけどやっぱりやめた。
・友達と会う約束をしていたけど気が変わったから適当に理由をつけて断った。
・奥さんと食事の約束をしていたけど、あとから飲みに誘われた友達を優先した。
・子供と買い物に行く約束をしていたけど、パチンコに行きたくなって延期した。
・同窓会に出席するつもりで返信したけど面倒になって断った。
・研修会の出席の約束をしていたけど気が変わって取りやめた。
・ビジネスホテルの宿泊予約をしていたけど他に泊まりたくなってキャンセルした。
・歯医者さんの予約をしていたけど、遊びに行く用事を優先した。
こんなことを繰り返していませんか?
もちろん私も完璧ではありませんから約束を破ったことはあります。
ですが、このように他人との約束を守らない先生は、約束を守らない患者さんが寄ってくる傾向があります。
・自分は約束の時間に遅れることが多い。
→予約時間に遅れる患者さんが多い。
・直前になって「やっぱりやめた」が多い。
→ドタキャンする患者さんが多い。
・連絡もなしに約束を破ることがある。
→無断キャンセルの患者さんが多い。
どうしてもこのような傾向がみられます。
まとめ
自費移行をしていく上ではもちろん、今後は保険治療がメインだとしても完全予約制は避けられない状況にあります。
完全予約制は治療院と患者さんのお互いの約束事ですから、患者さんには約束を守って来院してもらわなければいけません。
ですから約束が守れる患者さんに来て欲しいのであれば、自分がまず普段の生活でしっかりと約束事を守りましょう。
それはたった今からできることです。
「ドタキャンの患者さんが多いんです」というご相談に関しては、対策方法もありますが、まずはそこから改めてください。
話はそれからです。