先日香川県で行われた自費治療のためのセミナーを開催するにあたり、いくつかの近隣の整骨院の先生にご案内をする機会がありました。
セミナーの様子はこちらを参照ください↓
第40回 参加者全員がレベルアップした治療セミナーのご報告です。
近隣の整骨院を訪ねると驚かれた先生もおられましたが、いきなりよその整骨院のものが訪ねてきたのですから無理もありません。
ただ、たいていの先生はお話を聞いてくれましたので、その中で自費治療を導入しているのかどうかという話題にもなりました。
「そうですね、患者さんの3〜4割くらいが自費治療ですね」という先生や、
「自費治療の場合は保険治療よりも長く施術するようにしています」という先生がおられました。
さて、そこで1つ疑問が出てきます。
一般的には保険治療よりは自費治療の方が治療費は高いです。
だいたい数倍から10倍以上の差があるでしょうね。
疑問というのは、治療費が高くなった分、治療時間も長くすべきなのでしょうか?ということです。
このブログをお読みの皆さんはどのようにお考えでしょうか。
この疑問の答えのヒントになることを今回のセミナーでは教えていただいたので、参加者の先生方はお分かりかもしれませんね。
今回のセミナーでは治療のポイントや患者さんの体の触り方、症状別の手技などたくさんのことを教えていただきましたが、すぐに実践して治療に取り入れられるものばかりでした。
その中でも、短時間で体のバランスが整って変化が出るということが参加者の皆さん共通の感想でした。
特にセミナー後半では、明らかに体が歪んでいて右肩が下がってしまい顔の位置も正中から右に寄ってしまっていた参加者の先生を、別の参加者の先生がセミナーで習ったことを使って治すというデモンストレーションをしました。
その治療時間はたった数分間で10分もかかっていません。
きっと「それホンマ?」とお思いの方もおられますよね。
でも動画も残っているので間違いありません。(参加者の先生にしか公開していません)
たった数分の治療で肩の高さが揃いましたし、治療後も時間が経つとさらに体が整っていくことを参加者全員が目の当たりにしました。
セミナー後にアンケートに書いていただいた感想でも、
「自分の身体に負担がかからなく患者様の変化も出ることに感動」
「before,afterの出し方や、基本的な触り方などを知ることができた」
「少しの刺激で身体にしっかり反応が出る」
などなど、大事なポイントを押さえた治療を行えば短時間で体が整うということを皆さん実感されたと思います。
では体のバランスが整うとなぜいいのでしょうか?
このようなご質問を柔道整復師の先生方に投げかけるのは少々失礼かもしれませんが、私自身が過去にこのことを本当に理解するまでは少し時間がかかってしまいましたので、今回改めてお伝えできればと思います。
少し長くなりますが是非最後までお読みください。
例えば肩や腰に症状として痛みが出ていたり、関節の動きにくさとして現れている場合は患者さん自身も不調を実感しやすいですが、そこに至るまでには長年の偏った体の使い方による体のねじれや歪みがあると思います。
体のねじれや歪みがあるだけでは初期段階では症状としては何もないことが多いです。
そしてそのねじれや歪みの原因は生活習慣だったり仕事の種類だったり姿勢が影響していますよね。
そういった原因で肩の高さが違うとか足の開きが左右で違うなどの体がねじれや歪みが続いたままで生活すると、体のどこかに負担がかかり続けることになります。
つまり斜めの床の上で不自然な体勢で生活しているのと同じことです。
斜めの床の上では常に体の何処かが踏ん張ったり知らない間に力が入ってしまっていますから、そのままでは調子が悪くなるのは簡単に想像できると思います。
ですからそれがひどくなると痛みやシビレなどの症状として現れてしまうということになります。
その斜めの床を短時間でまっすぐにしてあげるのが、今回のセミナーで習った方法に代表される整体治療なのです。
今回デモンストレーションで治療を受けた先生が着ていたTシャツがずれて斜めになっていたのが、たった数分の治療後にはまっすぐになったのがそうです。
体が整ってまっすぐに近付くと、当然体全体のめぐりも良くなりますから、隅々まで血液が流れ、酸素や栄養が行き渡ります。
肩こりや腰痛だけでなく自律神経系の症状にもいい変化が出るというのもそのせいです。
ですから整体治療は時間をかければいいというわけではなく、結果が出て体が整ったあとは自然と症状が改善していくということになります。
しかし、「◯◯分◯◯円」というメニューを導入していたとしたらどうでしょう。
短時間でせっかく整った体に追加で余計なことをしてしまうことになります。
少しの刺激で体に変化が出るのはもう揺るぎない事実ですし、少なくとも参加された先生方はご納得いただけると思います。
【治療をして体のバランスが整う→患者さんの体の調子が良くなる】
ここはどなたも理解できると思いますがいかがですか?
「いや、でもまだ満足してくれないんじゃないかな?」とか、
「もうちょっとしないと数分では自費治療の高いお金をもらいにくいんじゃないかな?」
「数分治療しただけで患者さんが満足してくれないんじゃないか?」
と感じてしまうというのも分かりますよ。
なぜなら昔の私がそうでしたから。
でもそう思って治療時間を長くした場合、それって結局患者さんのためじゃなく、施術者の自己満足のためにやってしまっているのではないでしょうか。
「ここまでしてあげたんだから、次回も来てね」
「保険治療の3倍の時間をかけたんだからきっと患者さんも満足しているはず」
このようにお考えの先生方もおられるかもしれませんし、私自身もそう考えていた時期が過去にはありましたのでよく分かります。
しかしながら今回の治療セミナーの講師である松村先生をはじめ、自費治療専門で成功されている先生の治療院、つまり患者さんが治療に満足して通い続けている治療院では1時間とか2時間など長時間の治療をしているところはありません。
(エステとかリラクゼーション系サロンは別ですよ)
純粋に患者さんの体を触るのは、やはり数分から長くても10数分程度でしょう。
その事実がある限り「長く治療すれば自費の患者さんが満足する」という方程式は成り立たないということになりますよね。
つまり治療時間の長さが患者さんの満足度に比例するのではなく、その逆だということです。
「治療時間に関係なく調子が良くなれば良い」というのは決して施術者側の都合ではなく、自費の患者さんが望まれていることなのです。
そう言う意味では、治療時間と施術者の自己満足度は比例すると言えるかも知れませんね。
「そんなこと言ったってすぐに時短なんかできない。」という方もおられるでしょう。
でも今現在お使いの手技や治療法を変えずとも、治療時間を短くする方法はあります。
それは同じ目的で複数の手技を行わない、ということです。
体のバランスを整えるために、その患者さんの腰方形筋を緩めたいのであれば方法は1つで良いということです。
同じ目的で複数の種類の治療を行わず、手技の種類も最低限で時間も最短で治療をする癖をつければ今までより時短は簡単にできます。
今現在の治療の一部を見直すだけで治療時間は短縮できますし患者さんの満足度は上がります。
ですから徐々にでも構いませんので、患者さんが本当に望んでいることは何なのかを考えながら、治療に取り組んでいただければと思います。
整骨院完全自費化スクールでは治療時間や治療費を決める基準もお伝えしておりますが、これは経営に直結する大切な内容です。
経営がうまくいかなければ院をたたむしかありませんし、それで困るのは先生方やスタッフの方だけではありません。
先生方を信頼して通っている患者さんも困ります。
そうならないためにも、是非少しずつでも治療の時短をお考えになり、時短と患者さんの満足度アップの両方を上げられるようにしてみてくださいね。
最後までお読みいただきありがとうございました。
整骨院完全自費化スクール 柔道整復師 田口 誠二 監修