先日、国分寺整骨院に来られた20代の女性患者さんは、出産後から何ヶ月も腰や足の痛みに夜も寝られずお困りでした。
他の整骨院で「骨盤矯正」として「週に2回来てください」と言われ回数券を買わされて10回以上通ったけど良くならないどころか、
強い力でバキバキとされて痛くて怖くてもう行きたくない、
ということで当院を頼って来られたのです。
幸い当院での初回の治療でかなり動きやすくなられましたのでまずは一安心です。
しかしここで疑問に思うことがあります。
私の知り合いで予約が常に埋まっている治療院では回数券を扱っていません。
国分寺整骨院でも同じです。
初めて来た患者さんに回数券を売り付けるようなことは一切ありません。
ではなぜ何回の治療で治るかどうかなんて分からないのに安易に「回数券」を売り付ける院が多いのでしょうか?
今回のブログは治療院が安易に回数券を扱わない方がいい理由をお伝えします。
目次
回数券を安易に導入する理由
例えば
「回数券が売れたらいいな。」
「売り上げが上がりそうだよな。」
とお思いの先生は、回数券を売ったらそれを買った患者さんは回数券がなくなるまで続けて来ると思いますよね?
でもそうとは限らない例は少なくありません。
回数券が売れたら、その時点では治療院にはまとまったお金が入ります。
確かにたくさん売り上げが上がった気がしますよね。
ですからこれを目当てで回数券を導入している治療院が多いのではないでしょうか。
しかしこのコロナ過でも患者さんがひっきりなしに来られる自費治療専門の治療院では回数券を扱っていません。
それはなぜなのか、回数券を扱わない方がいい理由を事例とともにお伝えしてまいります。
事例 1:慢性腰痛と伝えたら15回という施術回数を指定されて回数券を買わされたが効果がない
近くのXXX整骨院(なぜか院内に整体院を併設してある)に行った高松市のA子さん。
初回のカウンセリングを受けた時に長年の腰痛の辛さと悩みを打ち明けました。
すると
「最低でも15回は通わないといけませんね。今なら15回分の回数券が12回分の施術料金で買うことができます。回数券を購入できるのは今日だけですので今日買ってください。」
と言われ、そういうものかと思ってクレジットカードで回数券を購入しました。
それから6回の通院で施術を受けましたが症状が改善しないので、このまま通っても良くなる見込みがないと感じて残りの回数券を払い戻して欲しいと伝えました。
すると
「担当者を変えますので、あと5回通ってみてください。」
と言われました。
あまり強く言い返せない性格のA子さんは、仕方なく引き続き2回通ってみましたが結局は症状に改善がみられなかったので、7回分の回数券を残して通院することをやめました。
そしてそのあと料金の払い戻しを請求するのはもう関わるのも面倒で行いませんでした。
この例だとXXX整骨院は7回分の施術で12回分の施術料を受け取ったことになります。
一方、A子さんは本来7回分の施術料金で被害が抑えられるはずだったのに、12回分の料金を払ったことになります。
つまり回数券を売りつけなければ
「7回通って良くならなかった。あそこの整骨院に行ってもダメだった。」
という印象で終わるはずだったんです。
もちろんこれでも施術の感想や整骨院の印象は全然よくありません。
しかしこれが回数券を売りつけたことにより、先程の悪印象に加えて
「余計な出費をしてお金も返してもらっていない。高いお金を払って通ったのに全然よくならなかった」
という最悪の印象になってしまうのです。
私の院も昔は回数券を導入しておりましたので、反省をしております。
事例 2:回数券を買わされたが有効期限がありその期限内に予約が取れなかった
次の例は丸亀市のB男さん。肩こりで事務仕事が辛かったので◯◯接骨院に行ってみました。
肩こりは10回の施術が必要だというのでその時は納得して回数券を購入しました。
しかし2回通ってみてその後の予約が取れないことに気づきました。
B男さんは出張が多い仕事だったので県外で過ごすことが多く、週末しか接骨院に行けません。
ホームページの予約フォームから週末の予約を検索してみると2ヶ月先まで予約が取れません。ということは施術が最短で2ヶ月先になってしまいます。これでは施術の効果も期待できないと考えて残りの回数券の払い戻しを申し出ました。
すると
「そちらの都合ですから払戻はできません。平日に来院して施術を受けてください。」
と言われる始末。
平日は県外ですから来院するのは到底無理です。
こうしてB男さんは泣き寝入りするしかありませんでした。
治療院は地域の人に支持されないと続きません
さてA子さん、B男さんともに、支払った金額に見合った施術を受けることができませんでした。XXX整骨院、◯◯接骨院ともにお金は先に受け取っていますから短期的には金銭的な損はしていません。
このような患者さんがどんどん来れば一時的な売り上げはかなり上がるでしょうね。
「1人院で月商300万円達成!」とかうたっているところはほとんどが高額な仕入れが必要な物販か回数券売り上げでしょう。
ここで考えてみてください。
一時的な売り上げが上がればそれでいいのでしょうか。
整骨院・接骨院などの治療院はローカルビジネスです。
地域の方に支持されなければ成り立たないのです。
国分寺整骨院には県外からの患者さんもおられますが、90%以上は国分寺町内または隣接する市町からの患者さんです。
その近隣の患者さんに見放されたらいずれ回数券を買ってくれる新規の患者さんはいなくなりますよね。
回数券を売れば売るほど敵が増えていくことになるのです。
これでは長く治療院を続けることができなくなるのではないでしょうか。
現に国分寺整骨院には近隣の他の院でクレジットカード払いで12回の回数券を買って数ヶ月通ったけど首の痛みが全くよくならずに、困り果てて国分寺整骨院に来られた患者さんが何人もいます。
冒頭にも書きました通り、初回から10数回の回数券を買わされて「週に2回通いなさい。」と言われて通ったけど腰痛が悪化した、お金を返して欲しいけどもう諦めた、という方もおられます。
そういう患者さんが必ず言うのが
「行くんじゃなかった。」
「もっと早く通院をやめておけばよかったんだけど回数券があったからやめにくかった。」
ということです。
途中から「通院したくない」と思っているということが大きな問題ですよね。
しかし、
「回数券を買ってもらえたら一回あたりの治療費が安くなるから患者さんのメリットにもなるじゃないか。」
こう思っている先生が意外と多いです。
でも本当の患者さんのメリットは「安い」ということではありません。
長年の辛さから解放されてやりたかったことをやる、
本当は飲みたくない薬を飲まずに仕事をする、
夜はぐっすり眠る、
ということが本当の患者さんにとってのメリットだとは思いませんか?
それを忘れて安易に回数券を扱って患者さんから見放されてしまってはいずれ治療院としては成り立たなくなります。
先ほども書きました通り、予約が常に埋まっている治療院では回数券を扱っていません。
そういう治療院は私が個人的に知っている限りでも何軒もあります。
しっかりと患者さんと向き合い、適切な治療を適切な頻度で行うことで、患者さんは回数券などなくても治療に通われます。
一時的な、短期的な売り上げだけを求めて回数券などに頼らなくても正当に運営すれば成り立つのが治療院です。
まずはそこを押さえておく必要があるのではないでしょうか。
このように、治療院を自費で経営していく上で大切な本質を四国の香川県学べる「整骨院完全自費化スクール」が2020年6月より始動しております。
6月入会の先生が、1ヶ月経ちすでに結果を出されていて、7月の自費治療の売り上げが前月比で140%を達成しています。
今月の8/22(土)も18時から自費移行セミナーを開催予定です。
詳細は追ってお知らせしますが、ご興味がおありの先生は予定を開けておいてくださいね。