第15回 それでもまだ1日中マッサージを繰り返しますか?

私が自費治療専門の院に変えていこうと思ったきっかけはいくつかあるのですが、そのうちの一つをお伝えしたいと思います。

前回までのお話で来て欲しくない患者さん、来て欲しい患者さんを書き出して整理して自分の院のターゲットを決めるというお話をしました。

そのターゲットの患者さんにどういう治療をしていくのか、そして患者さんとどういう関係を築いていくのかがとても重要なポイントでもあります。

 

私の院が保険治療がメインだった頃、主訴に隠れた慢性の肩こりや慢性の腰痛、慢性の膝の痛みをついでに診て欲しいという患者さんや慰安目的の患者さんもおられました。

そんな中、ギックリ腰の患者さんが続けて来られたことがありました。

このとき来られたギックリ腰の患者さんは、いずれも痛みの程度がきつい症状の患者でした。

例えば、

・両脇を二人に抱えられやっと施術室まで入ってこられるくらいの痛みレベルの患者さんが、治療後は一人で歩いて帰られた。

・前のめりの状態で腰が伸びないという患者さんが、治療後は気をつけができて、歩くスピードも目に見えて違いが出た。

これをお読みの先生方も同じような治療経験をお持ちですよね。

ギックリ腰の患者さんって、早く結果が出る患者さんもいますが、強い痛みの場合は施術室に入ってもらうまでにまず時間がかかりますよね。

長いときは数メートルの距離を5分以上かかったり・・・。

必然的にトータルの治療時間は普通の患者さんの2倍とか3倍の時間がかかります。

「第6回 追い詰められた柔道整復師が保険治療に偏ることに未来はありません。」でも触れましたが、ギックリ腰は痛い箇所である腰をガシガシもんだところで悪化するだけですから、腰以外の痛みの原因となっている部分を整える必要がありますよね。

強い痛みの患者さんの負担にならないように特に気を使いながら治療しますからさらに時間がかかってしまいます。

それでいて仮に「腰部捻挫」の初診で2300円程度、後療で600円程度もらってそれで経営が成り立つのか、という話になるはずです。

その患者さんが慢性症状をお持ちで、ギックリ腰の治療後は慢性症状の治療を延々と保険治療で行うのでしたらそれはそれで成り立つのかもしれませんが、それはルール違反ですからやってはいけないはずです。

このようにギックリ腰のような強い痛みの患者さんが、治療後に分かりやすい形で良くなられるのを見たときに、

「これって保険治療でいいんだろうか?」

「しっかりと自費での治療費をいただいて結果を出した方がいいんじゃないだろうか?」

と感じたことが私が自費治療専門の院に変えようと思ったきっかけの一つです。

自分の持っている治療技術を全て出し切って患者さんに喜んでもらえるのは自費治療しかないのではないか

と考えたのです。

 

自費治療については色々な考えをお持ちの方がおられるでしょう。

・そんな高い治療費をもらって結果が出なかったらどうするのか。

・そもそも自分の治療にそんなに自信がない。

・あの先生の院の治療費が1回6000円だったら自分は1500円くらいじゃないと合わないのでは・・・。

このようにお考えの方もおられるでしょうね。

実際に私自身も自費治療に切り替えるときは同じことを考えましたのでよく分かります。

先日も知人から聞かれたことがありました。

「腱鞘炎みたいな症状で右手の母指が痛いという患者さんって、どんな治療するの?それで1回6000円もらうの?」

という質問を受けました。

私の院ではどのような症状でも治療費は1回6000円(税抜き)です。

でも右手の母指が痛い患者さんって、そこだけが悪いわけじゃないと考えています。

母指の動きが悪くてそこに痛みが出ていたとしても、手関節にも肘関節にも、肩関節にも問題があることがほとんどですし、元々肩こりに悩んでいるということだって珍しくありません。

もっというと足や腰がねじれていてそれが原因で上半身に症状が集中しているということだってあります。

そうするとその母指の症状が出ないようにするには全身の整体治療を行った方がその患者さんのためになるという考えで治療に当たっています。

 

全身の調整を行う整体治療と、痛みが出ている部位に対する局所的な治療を一緒にしてあげることで、症状が出にくくなったり、さらに他の隠れた部分の悩みも解決される可能性だってあります。

最終的には生活指導もしっかりとしてあげてトータルで解決した方が喜ばれるはずですよね。

いろんなホームページやチラシ、フェイスブックなどでよく見かけますが、

「地域の患者さんのため」

「患者さんの笑顔のため」

みたいに掲げているところがありますが、実際はがっつり保険治療をしていたりします。

これって本当の意味で患者さんのためになっていますか?といつも思ってしまいます。

 

保険治療を受ける権利は患者さんにはありますが、とにかく料金が安ければ患者さんのためになるのですか?

 

「毎週1回通院して1年間通ったけど全然良くならなかったから、他所の通院をやめてこちらに来たんです。」

「他所ではマッサージだけしかしてもらえないから、よくなったかどうかわからなかったです。」

という当院の患者さんもおられます。

結局のところ1回数百円だとしても、1ヶ月で3~4000円程度、1年間なら4~5万円くらいかかって治らないのであれば、安くても意味がないと思います。

お金だけじゃなく患者さん自身の時間の損失も大きいですよね。

 

私は一回の治療費は保険治療よりは高くても、患者さんの将来的なことを考えるとトータルでは患者さんのためになるのが自費治療だと考えています。

もちろん患者さん自身がが知らない間に不正に巻き込んでしまうことが患者さんのためじゃないはずです。

1日中、延々とマッサージを繰り返し、来て欲しくない人に文句を言われ、それでも仕事をしないといけない状況から抜け出せるのは今だけです。

こういうことから私は、自分の持っている治療技術を全て出し切ることで患者さんに喜んでもらうことができる自費治療専門院を選択しました。

それこそ地域の患者さんの笑顔のためになっていると本気で考えています。

これをお読みの先生方はそれでもまだマッサージを続けますか?

次回は「患者さんが喜んで受けたいと思う自費治療」についてです。

 

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