2020年5月14日に39県の緊急事態宣言が解除されました。
安倍首相は、残りの関東の1都3県、関西の2府1県、そして北海道についても5月31日を待たずに解除される可能性にも言及しています。
ただ、緊急事態宣言が解除されたとしても今後の生活は新型コロナウィルスが流行する以前には戻らないかもしれません。
厚生労働省が5月4日に新型コロナウイルス感染症専門家会議からの提言を踏まえ、新型コロナウイルスを想定した「新しい生活様式」を具体的にイメージできるように、今後の日常生活の中で取り入れて欲しい実践例を示しました。
新しい生活様式として
(1)一人ひとりの基本的感染対策
(2)日常生活を営む上での基本的生活様式
(3)日常生活の各場面別の生活様式
(4)働き方の新しいスタイル
以上の項目が公表されました。
1。身体的距離の確保
それぞれの項目に共通しているのが、
身体的距離の確保
です。
・人との間隔を1m以上あける
・買い物は空いた時間に行く
・オフィスは広々と
このように人との接触を減らして狭い部屋での長居をしないということも示されています。
特に(3)日常生活の各場面別の生活様式では
予約制を利用してゆったりと
ということまで明記されています。
治療院を経営されている先生方は、治療の際は2メートルどころか直接接触しますからその点は避けられません。
それよりも「受付順番制」の治療院では待合室で2メートルの距離を空けて待つということができません。
なぜなら患者さんの来院をコントロールできないわけですから。
これは予約優先制を導入している治療院も同じです。
予約をしていない患者さんが必ず来られますからね。
つまり今後の新しい生活様式では「完全予約制」の導入は避けられないということです。
完全予約制の導入を検討するという段階ではなく、導入しなければいけないのです。
さらに、待合室で近所の知り合いや常連さんに会ったらやっぱり会話すると思うんですよね。
そもそも接骨院で保険患者が常連ということ自体おかしいのですが。
だって「骨折、脱臼、捻挫、打撲、挫傷」を繰り返し負傷する人が近所にたくさんいるなんてことは、少し特殊な環境ですよね。
もちろんあり得ますけどほとんどが慢性症状を保険治療していたり、リラクゼーションがわりに通院しているという状況は否めませんよね。
本来、接骨院・整骨院での慢性症状や急性の怪我以外の自律神経系の症状などはすべて自費での治療となりますから、自費治療が今後増えていくのは当たり前と言えば当たり前です。
2。まめに手洗い、手指消毒
毎朝検温。こまめに手洗い、換気。会話時は症状なくてもマスクと明記されています。
これも次から次へと予約なしに来る患者さんを回していたら不十分になりがちですよね。
完全予約制にして、患者さんの来院をコントロールすれば衛生管理もしっかりと行うことができます。
ちなみに当院ではマスクを忘れてしまったという患者さんには無料でマスクをお渡しして着用していただいています。
しかしほとんどの患者さんがマスク着用して来院していただいています。
そして患者さん、施術者双方が手指消毒、マスク着用を徹底すれば濃厚接触は避けられます。
3。自費治療への移行
このように、今後の治療院経営は完全予約制以外は考えられないということがお分かりいただけたと思います。
完全予約制で患者さんの来院をコントロールして治療にあたらないと、施術者である先生方の健康はもちろん、患者さんの健康を損なう可能性が高いということも言えます。
先生方を頼って治療に来られた患者さんの健康を損なう可能性がある「受付順番制」や「予約優先制」を導入していること自体、もう納得がいく説明が患者さんにもできませんよね。
では、完全予約制にして予約時間枠を区切って治療したとしましょう。
先生方が患者さんお一人に費やす治療時間は何分でしょうか?
1分?
2分?
一般的にはもう少しかかりますよね。
ちなみに私自身は15分くらいはかかります。
それ以外に電療や物療をしていたら手技プラス10分か20分かかりますよね。
それで保険治療だったら、例えば2部位でいくらでしょうか。
1200円くらいでしたでしょうか。
長く保険治療に関わっていないので細かい数字はわかりませんが、大体これくらいですよね。
1部位なら650円くらいだったと思います。
治療時間や患者さんの滞在時間を考えたら、最低でも予約枠は30分区切りになると思います。
ということは1時間に2人。
売り上げは1時間に1200円〜2500円くらいになります。
治療院を1日8時間開けていたとして、1万円から2万円くらい。
1ヶ月に22日開けていたとして、総売上が22万円から44万円。
家賃払って光熱費払ってこれで足りますか?
「うちは交通事故治療を扱っているから大丈夫」という声が聞こえてきそうですね。
では交通事故の患者さんが完全予約制でみなさん納得して来られますか?
一部の患者さんしか来ませんよね。
だって軽傷の人がほとんどですから、だんだん予約するのが面倒になって来なくなるというのはうちの院でもありました。
やはり保険治療や交通事故治療は完全予約制と相性が悪いです。
つまり患者さんを予約枠の中でしっかりと治療して、自費での治療費をいただくということが結論として見えてきます。
完全予約制
自費治療
これが今後の治療院のあり方で、避けては通れない事実です。
「でも自費なんてもらえない。」
「自費移行しようにも、治療技術に自信がない。」
という先生もおられるでしょう。
そこでそのような先生方にご提案があります。
自費治療と保険治療は治療方法や患者さんへの接し方は全く異なります。
長年自費治療専門の整骨院として成功されている先生に、その技術を教えてもらえるとしたらご興味がおありではないでしょうか。
2020年5月24日に香川県高松市で「明日から使える自費治療の基礎が香川で学べるセミナー」を開催します。
すでに京都府、岡山県などの他府県や、県内でも観音寺市、丸亀市などから参加されるという先生からお申し込みをいただいております。
次回開催はいつになるか分かりません。
このチャンスを「他の用事を優先する」という間違った選択をされないことを祈ります。