第3回 みんながやっているからまだ大丈夫だと思っています?

前回までのブログでは自覚がないまま関わってしまう不正や、「これくらい」という軽い気持ちで関わってしまう不正について書いてきました。

さて、ひょっとして先生方は

「そんなこと言ってもうちの院はレセプトの返戻もほとんどないし、仮にあったとしても修正して送り直したら申請が通ったからたぶん大丈夫」

と思っているかもしれませんね。

私も以前はそう思っていました。

レセプトを作成して請求団体に送ったら、

「そのあとは請求団体が適当にうまくやってくれる。」

「審査が通れば大丈夫。」

このように呑気に考えていたこともありました。

しかし今まで大丈夫だったから今後も目を付けられないとは限りません。

以前の私も「まだ個別に指摘する段階ではなかっただけ」ということも十分考えられます。

 

2019年のニュースで、数々の映画やドラマに出演し、さらには大河ドラマにも出演ていた芸能人が違法薬物の所持と使用の容疑で逮捕されたという報道があったことは記憶に新しいことでしょう。

事件が発覚する随分前から「芸能界大激震!平成最後の大スキャンダル」なんてことを書いていた週刊誌もありましたが、あの芸能人は急に目をつけられたんでしょうか。

 

薬物の場合だけではありませんが、現行犯でもない限り相当の時間と手間をかけて捜査をして外堀を埋めていきます。

 

その間は泳がされているだけなんです。

 

テレビ番組の警察24時で見る光景といえば分かりやすいですが、何日も捜査車両の中で張り込みをして、時には尾行し犯人の行動パターンを記録し、逮捕状が請求できる証拠を集めていくのです。

 

ある日の早朝、捜査員が犯人宅の四方八方を囲み「警察です、なんで来たか分かりますよね?」と玄関から踏み込むシーンを見たことある人も多いと思います。

 

柔道整復療養費の不正受給についても同じです。

 

目を付けられたら水増し請求や部位転がしの証拠をじっくりと集めているんですよね。

 

それではなぜ目を付けられるんでしょうか?

 

理由は簡単です。

 

ある県の協会健保の審査会の審査委員をしている方と直接お話させていただいたこともありますが、不正受給をしている院はレセプトを見るとすぐに分かると言っておられました。

 

不正をしている院が提出したレセプトには偏った傾向が出てしまうので、審査を専門にしている方から見れば一目瞭然なのです。

 

そしてレセプトに偏った傾向が出てしまう理由は、

「慢性の症状を急性のケガに置き換えて請求している」

「症状が改善した患者さんを、別の部位に症状が出たことにして継続して通院してもらう」

ということをしているからです。

本当に急性のケガであれば、受傷部位も発生機序もなんら不自然なところはないはずです。

 

ですがほとんどの場合、例えば肩こりや慢性の腰痛などの症状を急性のケガに置き換えて請求しているため、そのレセプトの内容、表現、発生頻度や傾向は人為的に作られたものになります。

 

人為的に作られているために同じような受傷部位、発生機序、定期的な受傷など偏った傾向がどうしても出てきてしまうのです。

 

「うちの院は〇〇に所属しているから大丈夫」

「今までほとんど返戻もなく審査が通っているから大丈夫」

「発生機序も明記しているし大丈夫」

 

こうお考えの先生方も多いかもしれません。

ですが、それは未来永劫続きません。

なぜなら嘘はどこかで矛盾が生じてしまうからです。

 

コンタクトスポーツや武道をしている患者さんが多く通う院で、日常的に急性のケガが発生するということもあるでしょう。

その怪我を治療し、レセプトを作成し、柔道整復療養費を請求したところで、それは全て本当に起こったことであり、本当に起こったケガですから全く問題はありません。

誰に文句を言われることもありませんから、正当に今まで通り、道々と請求してください。

 

しかしそうでない整骨院・接骨院の方が圧倒的に多いのではありませんか?

 

私も院を始めた頃は訳もわからずレセプトを管理していたので、中には患者さんの主訴のままに処理してしまっていたことも多かったと思います。

「洗濯物を干していて肩を水平より上に挙上した際に傷めた。」

「玄関で靴を履いて立ち上がろうとしたら段差につまづいて左足首を傷めた。」

「階段を降りていたら太ももに力を入れた瞬間に傷めた。」

こんなことも中には本当にあるかもしれませんが、本当だったとしても毎月処理しているレセプト枚数のごく少数だったと思います。

それ以外はほとんどが慢性の症状だったのかもしれません。

ですから結果的に、慢性の症状を急性のケガに置き換えて請求してしまった、ということだってあったかもしれません。

 

そしてこのような間違った方法を長く続けていたら、目をつけられて水面下で捜査や証拠固めが進んでいたかもしれません。

 

今まで指摘されていないからといって、決して安心できるようなことではないと思います。

なぜならそれは許されない行為だからです。

繰り返しますが今はまだ泳がされているだけだからです。

泳がせ捜査とは「捜査方法で、ひそかに監視しながら、犯罪者を自由に行動させるもの。特に、輸入品の中に麻薬などを発見しても、その場で押収せずに入国を認め、販売経路を突き止めようとするもの。」と辞書にも書かれています。

皆さんも密かに監視されているかもしれませんから、令和早々監査なんてことにならないように気をつけてください。

しかし、このブログを読み続けていただければ、

「当時、開業して2年目の私でもできた自費移行の手順やポイント」

を具体的にお伝えしますので必ずお読みくださいね。

 

ですがもうしばらく柔道整復師の置かれた現状をお伝えする必要がございますので、次回も続けてまいります。

 

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