第11回 患者さんに投げつけられた保険証と離れていくスタッフ

前回までのブログでは、保険治療メインで開業したものの、こんなはずじゃなかったと後悔した経緯をお伝えしました。

これからも保険メインでやっていくのか

こんな状態なら他にやっていく方法はないものか

仕事も手につかない状態になり藁にもすがる思いでインターネットで調べ回りました。

でも調べれば調べるほど、

柔道整復師が保険を扱うのは当たり前だ

保険を扱うために柔道整復師になったんだろ?

保険を使えるうちは保険治療をどんどんやらないと損だろ

交通事故の患者さん?どんどん来て貰えばええやん

同業者のこのような声ばかり聞こえてきます。

「お前もそうだろ!」と直接言われたこともありました。

ひょっとしたらそうなのかも。

自分の考えがおかしいのかも。

そういう考えや迷いがではじめた頃それでも調べ続けた結果、やっと一筋の光を見つけたのでした。

 

兵庫県の西宮市にある「まつむら鍼灸整骨院」が自費治療専門院であるということを知りました。

そして「まつむら鍼灸整骨院」を開業されている松村先生に直接お会いして、自費治療専門院へ移行するにはどうしたらいいかということを基礎的なことをお聞きする機会を作っていただきました。

その自費移行の原則や基礎的な内容について詳しくは今後のブログで順を追ってお伝えいたしますが、いくつかの大事なポイントの中から次の日からすぐに実行できることをスタッフにも周知して試してみることにしました。

例えば当院にはそれまでも自費のメニューというものが存在しており

「20分マッサージします!」

「足集中マッサージ15分コース」

「全身60分整体コース」

というものがありました。

まずはその自費のメニューは残したまま時間表記をやめたのです。

 

以前は患者さんに、

「追加で1980円で20分延長してマッサージしますよ。」

「5000円で60分の全身マッサージしますよ。」

と案内して勧めるようにしていましたし、スタッフにもその自費メニューを勧めるように指導していました。

しかしその日を境に時間表記をいきなりやめたわけですから、スタッフは戸惑ったと思います。

前の日までの方針を、その日を境に急に変えたわけです。

 

患者さんに「どのくらいの時間やってくれるの?」と聞かれたら

「15分〜20分くらいかかります。」

「だいたい40分〜50分くらいかかりますね。」

このように説明するように変更しました。(この点については当時のお話なので現在のやり方とは異なっておりますが。)

 

「時間を決めているわけではなく、患者さんごとの症状やお体に合わせて施術しますので時間は前後するんです。」とお伝えするようにしました。

 

時間表記をやめたことと同時に、保険治療を減らしていくことにも取り組みました。

その時点で治療中の患者さんは、治療期間を最大2ヶ月から3ヶ月間として、それ以降は自費治療になることをお伝えすると、ほとんどの保険患者さんが「そんなに高くなるならもういいです。」といって来なくなりました。

何度も来院されていて治療中などによく世間話もするようになった患者さんの中には、

「お前のところは安いからマッサージしてもらいに来ていたんや。高くなるならもうええわ!」

このように声を荒げて診察券を投げつけて帰る患者さんもいましたから、私もスタッフも大きなショックを受けることも多くありました。

これは一生忘れることができないと思います。

ただ、患者さんにとってみたら保険治療の意味も仕組みも知りませんから、急に方針転換されて戸惑ったのでしょうから仕方ないですよね。

 

一方で新規の患者さんには急性のケガ以外は全て自費治療になることを最初にお伝えして、それで納得してくれる方だけ治療を受けていただくように方針を変えました。

そうすると

「保険が使えると思ったから来たのに。」

「医療補助の対象なので無料だと思ったから来た。」

などと言って治療を受けずに帰られる患者さんも多くおられたので、説明の手間だけがかかるケースがよくありました。

本来の保険治療のあり方を徹底しただけではありますが・・・。

それくらい急性のケガをしたという患者さんは少なかったわけです。

それでも自費治療専門院にするためには仕方ないと、方針を変えずにいたのですが、患者さんに断られるという毎日繰り返される光景を前に心が折れそうになったこともありました。

「自分のやり方、考え方は本当に合っているのか?」

さらに、当院の方針はスタッフにも周知徹底していたつもりだったのですが、ある日私が外出中にスタッフが慢性症状の患者さんを保険治療で受けてしまったことがありました。

ただ、あきらかな慢性症状というよりも、理由をこじつければ保険適用にならなくもない、微妙な症状でした。

これについては私がもう少し詳しく説明して、私の方針をしっかりと伝えていたら防げたことなのでそこは反省点です。

きっと毎日断り続けられて心が折れそうになっていたのは私だけではなく、スタッフも同じ気持ちだったのに、そういう精神状態のスタッフへのフォローが足りなかったのだと思います。

自費治療専門院への方針転換については、患者さんへの周知徹底だけではなくスタッフへの教育も大事なのだと痛感いたしました。

院全体で自費治療への方針転換の意思統一を徹底しておかないといけないということです。

 

結局、大きな方針転換に戸惑った患者さんだけでなく、スタッフまで私の元を離れていく結果となりました。

それでも

あの頃の奴隷労働には戻りたくない。

不正に関わることだけはしたくない。

自分の行く道は自費移行しかない。

こう信じて、残ったスタッフと共に突き進んでいくしかありませんでした。

 

次回は自費治療専門院への移行に際して、私が経験した自賠責保険の患者さんの取り扱いについてをお伝えしていきます。

 

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